割安株投資研究所

2004年に株式投資をはじめました。現在の投資スタイルは割安株投資がメインです。好きな格言は「人の行く裏に道あり花の山」。

プロトコーポレーション(4298)の目標株価

本日は中古車情報誌「Goo」でおなじみの「プロトコーポレーション(4298)」を取り上げます。
というのも、コメント欄で要望があったので取り上げることにしました。
実はもう何年も前ですが、私の主力株だった時期があったくらいこの銘柄には惚れ込んで投資をしていました。
投資の相性も良い銘柄で私の初心者時代に多くの利益をもたらせてくれた感慨深い銘柄です。
数年前にすべての保有株を手放してから、現在は1株も保有していません。
業績的に利益面で頭打ちになったことが原因で手放したのですが、久しぶりにじっくりと有価証券報告書やプレゼンテーション資料などを見てもその思いに変化はありませんでした。

詳しい事業内容はこちらの「プロトコーポレーション会社説明会 プレゼンテーション資料」に詳しく出ていますので、詳しく知りたい方はそちらを参考にするのが良いと思います。
セグメント別にみると、主力のGoo事業は頭打ち感が強く、ここ数年は微増という言葉がぴったりの数字となっています。生活関連事業も売上こそ伸びていますが、競争が激しいのか利益率は低下しており厳しい状況です。

中期事業戦略を見ると成長性に関してあまり魅力的な気がしてきません(あくまでも個人的にです)。
国内事業では、組織体制の強化と商品・サービスの差別化推進を柱にしていますが、究極的には自動車業界全体のプラットフォームを目指ししたみたいですが、なかなか簡単なことではないでしょう。経費だけ使って成果が上がらないということにならないように結果を見守る必要がありそうです。
海外事業では、事業規模の拡大という点で海外市場(マレーシア・シンガポール・台湾)へ展開を図っていくということです。手段としては有力企業とのM&Aや事業提携を模索しているようです。現実に前期にマレーシアに強みのある「キングスオート」を買収しました。
国内市場が飽和状態にあるので海外に事業を展開するのは良いことだと思いますが、海外進出初期のころは資金も必要ですし、事業が軌道に乗ってくるまでは時間もかかるので、ある程度海外事業が軌道に乗り始めて、実際に利益還元し始めてから投資するのも一つの手かなと思います。

まぁいろいろ思いついたことを書きましたが、要するにこの企業の場合は「Goo」という金のなる木を持っています。この分野の国内での優位性は当面続くと見て良いでしょう。
ただし、この事業だけで成長していくのは限界があります。会社側も新たな事業に手を出しており、売上は上がっていますがそれが思うように利益に結びついていないという現状があります。よって、株価が以前のようなペースで上昇していくには、新たな事業分野での成功が大きなカギを握るということです。
これに対しては、投資家それぞれの見方があってよいと思いますが、個人的には現状を見る限り悲観的に見ています。しかし、株価とはおもしろいもので成長性はなくても、企業価値に対して割安に放置されること良くあることなので、今回も目標株価は算出しておきたいと思います。

会社計画だと今期も減益見通しですが、そうなるとこれで4年連続の減益ということになります。売上が今期の増収予想も加えると8年連続で上がっているのとは対照的な動きになっています。
となると事業価値を算出する際の目安となる営業利益に関しては、どれくらいの数字を使用するかでかなり議論が分かれるポイントだと思います。個人的には迷った時は保守的に予想するので、今回は今期の予想営業利益51億円をベースに数字を計算したいと思いますが、会社のポテンシャル的には60億円くらいは可能だと思います。そう思う投資家は60億円でも計算してみてください。また、使用する割引率に関しては8~10%にします。

以上をベースに事業価値を計算すると、306億円~382.5億円となります。直近の決算から財産価値は135億円、負債は22億円です。
したがって、株主価値はざっくりと419億円~495.5億円となります。これを株価に直すと2001円~2366円ということになり、2/15の終値1391円と比較すると30.5%~41.2%割安だという結論です。

保守的な営業利益で計算しても30%以上割安という結果が出たので、現状の株価は割安であると言っても良いと思います。
ただし注意しなくてはいけないのが、数年間減益が続いていることです。もし来期も減益が続くようだと目標株価も下がりますし、株価もオーバーに反応するかもしれません。
参考にしてほしいのは「西松屋チェーン(7545)の月足チャート」です。
こに企業も2007年度の決算以降増収減益が続いたために株価が売り込まれました。その間株価は計算上は割安だと出るのですが、将来性が見えてこないという投資家心理なのか株価は下落を続けました。
マーケットは増益基調の銘柄には成長期待から高いPERをつけますが、その反対の銘柄には低い評価しかつけてくれません。
そのあたりのことは十分に頭に入れて投資すると良いと思います。

それではまた明日(^_^)/~


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