割安株投資研究所

2004年に株式投資をはじめました。現在の投資スタイルは割安株投資がメインです。好きな格言は「人の行く裏に道あり花の山」。

どうしたトリドール(3397)?

先週末に発表された2013年3月期第3四半期の決算発表を受けて、「丸亀製麺」でおなじみのトリドールが本日大きく売り込まれました。
トリドールの株主にとっては寝耳に水のような決算発表だったようです。特に利益面の伸び率に第3四半期に入って急ブレーキがかかっています。
同社のホームページで公開されている「月次売上高レポート」を見ると10月・11月と既存店の売上高の大きく悪化していることが分かります。
私も小売業に勤めているので、既存店で売上高が90%だと本当に苦しいのだろうなということが実感として感じます。ビジネスは売上が90%だから利益も90%かというと、そんなに単純なものではありません。それが如実に表れたような決算ですよね。
ヤフーファイナンスの掲示板を少しのぞいてみましたが、販管費が増加した理由を説明して欲しいと書かれているものもありましたが、まさにそれが既存店売上が大きく落ち込んだ影響として表れてくる傾向です。要するに相対的に人件費率の増加が大きくなってしまうのです。販管費に関する詳しい記述がまだ不明なので憶測の域を脱しないですが、おそらく労働分配率が第3四半期になって悪化していると思います。
それほど既存店売上高は重要な先行指標なので、まずはもうすぐ発表されるであろう1月の結果がどうだったのかはしっかりと確認したいですね。

さて、この決算を受けて「いちよし経済研究所」でもレーティングが引き下げられ、フェアバリューを1700円→1200円に同じく引き下げました。海外展開は着実に進んでいるものの、国内で自社競合が出てきているとのことです。まぁ、確かに最近はいたるところで「丸亀製麺」を見ますからね。
フェアバリューは引き下げられたものの本日の終値が964円なので、それに比べると現在の株価は20%くらい割安な水準ということになります。

私は下方修正が大好き(トリドールはまだ下方修正は発表していませんが、まず間違いなく下方修正を行うでしょう)です。なぜかというと、必要以上に売られることが多いからです。
それだけ、株価とは心理的な要因で構成されているということです。多くの投資家がフェアバリューというものを知らないし、もし知っていても不安で売ってしまうという人もいるのです(株をはじめたころの私もそうでした)。

今回のトリドールもはたしてそこまで売られるような決算であったのか、簡単に目標株価を算出して検証してみたいと思います。
まず事業価値ですが、今後業績が悪化すると話になりませんが、既存店昨対90%台後半を維持することを前提にすると、経常利益は80億円くらい可能だと思います。まぁ今期はもう無理ですけどね。
とりあえず保守的に前期の経常利益+αで70億円くらいを今後も継続的に維持できるとすると、割引率10%で事業価値は420億円、8%で525億円。財産価値は現預金の74億円、負債は192億円です。
したがって、株主価値は302億円~407億円くらいのイメージですかね。
本日の終値964円は時価総額379億円なので、まだ投資するには早いかなという印象です。
まずは1月の月次に注目して、どのくらい売上が持ち直しているか、または悪化しているかを確認して、最終的には来期の会社計画がどうなのかを確認するまで投資はしたくないですね。


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