割安株投資研究所

2004年に株式投資をはじめました。現在の投資スタイルは割安株投資がメインです。好きな格言は「人の行く裏に道あり花の山」。

ピーシーデポコーポレーション(7618)の社長は大丈夫?

昨日東洋経済オンラインで「ピーシーデポコーポレーション(7618)」の記事が載っていました。
ピーシーデポは朝日新聞を売るという記事でしたが、その記事を読んでいたら驚くべきことが書いてありました。野島社長はパソコンの素人らしいです。大丈夫なのでしょうか?
経営のことは私のような普通のサラリーマンには分かりませんが、自分の会社のメイン商品に詳しくなくて経営者としてやっていけるのでしょうか?
もし私がこの会社に投資していたとしたらそれを聞いただけで不安になってしまいます。

というのも私は以前この会社をずっとウォッチしていたのです(今も定期的にチェックしていますが・・・)。
以下の記事は私が2011年6月に書いたものです。

「PCDEPOTに注目しています。

もともとパソコンは得意ではないので、店舗を利用する機会などまったくなかったのですが、近所にオープンしたことと、パソコンが故障したことでPCDEPOTを利用する機会が多くなりました。店舗を利用してすごく満足度が高かったのは、店員さんがこちらから声をかけない限り、寄り付いてこないことです。これは店内放送でも言っていたので、会社としての方針のようですが、自由にいろいろな商品を見たり触ったりできてうれしかったです。

PCDEPOTは他の大型家電量販店とは違い、物販はPC本体と関連商品、テレビのみの扱いで、最大の違いはお客様の「困った」を解決する技術サービス・サポートを行う「パソコンクリニック」の存在ではないでしょうか?

そして今伸びているのも、このサポート部門です。前期においても、物販の伸びが1.6%増と小幅な伸び率だったのに対して、サポートは27.1%増と大きな伸びを見せています。それにより売上総利益率は3.2%増の29.1%になっています。ちなみに目標としている指標はROA9%以上だそうです。

自分が経験したから分かるんですが、パソコンが得意ではない人にとっては、「困った」ことが起きるとどこに相談していいのか迷ってしまいます。そんなニーズに答えようとしているのがPCDEPOTなのでしょう。社長も、「売ることよりも安全にネットワークにつなげ、修理を請け負うことに軸足を置く。ユーザーがうすうす感じている不便さを取り除くことで固定客をつくる。」とあるインタビューで答えています。その通り固定客になろうとしている人間がここにもいます(^^;

6/15現在の株価を見ると20500円(時価総額約45億円)です。売上・営業利益ともにここ5年間は増収増益です。そして2012年3月期も売上高500億円(前期比106.6%)、営業利益16.7億円(前期比122%)を見込んでいます。これは、既存店前年売上高が97%、サポート前年売上高125%、売上総利益率31%を前提にした数字だそうです。今期の月次を見ると既存店売上が95.3%なので若干弱含んで推移しているようです。またこの会社、有利子負債も約45億円と資産のバランスから見てもそれほど多くないので、事業価値がそのまま株主価値と見ることができそうです。よって、今の株価は少なめに見積もっても適正株価の半分くらいなのではないかと推測できます。

最近、割安な株が多くて目移りするのですが、PCDEPOTも立派にウォッチ銘柄入りが決定いたしました(^^)」


以上の記事を書いた期の通期決算が売上高497億円、営業利益5.5億円と増収減益でした。
今期の業績予想は売上高510億円、営業利益6億円です。

この会社は業績が悪化した年から事業の中身を大きく変化させています。
それまでは物販販売をメインに行ってきたものを、サービスをメインに事業を行うようになりました。前期と今期はまさにそのための投資期にあたっており、サポート体制を整えるための人件費などで販管費が増加していることが減益の大きな要因となっています。


(2013年3月期第2四半期決算補足資料より)

商品別売上高と差益構成比をみると粗利が伸びていない原因は、物販販売の粗利が伸びていないことにありそうです。サービスの需要はありそうなので、物販販売の販売競争が改善すれば利益の伸びも期待できそうですが、厳しそうですよね。サービスはまだまだ伸びが期待できそうなので、こちらの売上を伸ばして損益分岐点を下げることによって利益を底上げしていくという方が、業績回復のシナリオとしては可能性が高いのかもしれないですね。
したがって、現状はサービスへの投資が実際の業績として成果が出てくるのを確認するまでは、多少割安な株価では怖くて投資できません。前期に関していえば営業キャッシュフローはマイナスですからね(><;)

ということでこの会社に対する私のスタンスは現状では投資は見送りです。
今後も継続的にウォッチはしていくつもりですが、以前ほどの熱の入れようはありません。
業績の回復を確認してから投資しても遅くないと思います。



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