割安株投資研究所

2004年に株式投資をはじめました。現在の投資スタイルは割安株投資がメインです。好きな格言は「人の行く裏に道あり花の山」。

はせがわ(8230)の目標株価

本日は「お仏壇のはせがわ」のCMでおなじみの仏壇仏具の小売専門店「はせがわ(8230)」の目標株価を考えたいと思います。

まず勝手なイメージとして、収益率は低そうだな?高齢化社会の到来で売上は意外と微増してるかもしれないな?老舗企業なので財務体質は良いかもしれないな?と分析前は思っていたのですが、全然的外れでした(^▽^;)
私は企業分析(有価証券報告書を見る)の前にその企業のイメージを膨らませてから、実際の分析に入るのですが、当たらないことも多いんですよね。
今回の「はせがわ(8230)」の場合も良い意味で驚きがあり、分析後はこの企業のことをポジティブに捉えられるようになりました。

まずは「平成25年3月期決算説明会資料」をご覧下さい。

はせがわ直近5カ年の業績推移

これは直近5カ年の業績推移ですが、まず売上高はほぼ横ばいなんですね。過去10年で見てもその傾向に変わりはありませんでした。
私は高齢化社会の到来で微増ではないかと思っていたのですが、資料を読むと消費者の仏壇仏具に対する価値観の変化で小型でシンプルなものが好まれる傾向にあるようで、これが購入単価の低下を引き起こしているようです。販売基数は増加しているので大きく売上が落ちているわけではありませんが、この傾向は今後も続いていくようです。
しかしながら、墓石事業に関してはまだ売上向上の余地があるようで、認知度向上(あまりにもお仏壇のはせがわのCMの影響が強いのかも?)と墓石購入検討者のフォロー体制の強化で成長を図る考えのようです。

では売上が横ばいなら利益も苦しいのではという問いに対しては、上の図を見ても分かる通りNOですよね。
これがきれいに右肩上がりとなっています。過去10年で見ると2006年3月期の営業利益4.54億円をボトムに2008年3月期の例外はありますが一貫して右肩上がりとなっています。
それに伴い年々収益力もアップしていて2013年3月期の営業利益率は10.3%となっています。
しかし、一つ注意しなくてはならないのは、毎年特損が多いので当期純利益は単純に営業利益の60%ではないということです。
特損の内容は、減損損失や固定資産の売却・除却損、貸倒引当金繰入額などが中心なのですが、いずれにせよ今後も続いていくことが予想されるため、そのあたりは目標株価を算出する際に考慮したいと思います。
ここまで毎年営業利益が右肩上がりになっている要因としては、資料によると管理会計を導入して年々深化していることが大きいとのことです。
イメージとしてはPOSシステムを導入して業績が向上したセリア(2782)と似ているのでしょうかね?
販売員の経験と勘に頼っていた販売スタイルを科学的に検証できるようにしただけで、こんなにも効果が上がるとしたらすごいことですよね。もちろんそれだけではなく経費削減を継続的に実行していることも大きいのでしょうけどね。

はせがわ資産・負債の状況(連結)

次にBSを確認すると、老舗なので財務状況が良いとイメージしていたのですが、実際は意外と負債が多いことが分かります。
しかしここ数年の業績好調を受けて年々負債比率は下がっており、この業績が今後も続くようならさらなる財務体質の強化が想定されBSも改善されていくと思います。BSのサイズも過去5年間年々小さくなっているので資本効率も良くなっています。

今後の戦略としては、まずは墓石事業に伸び白があるのでそこを強化することと現代のニーズにマッチした新型搬送式納骨堂の販売強化、仏壇仏具事業のシェア拡大が柱となっていくようです。

株主還元については、配当金は安定配当を行うことを基本方針としており、ここ3年は7.5円配当が続いています。業績が良いので増配しても良さそうですけどね(^_^;)
また株主優待も実施していて、創業地である福岡を中心とした九州にゆかりのある企業の商品や地域特産品を1500円相当の優待内容となっています。

それでは目標株価を考えていきたいと思います。
「平成25年3月期決算短信」によると、今期の予想営業利益は24.72億円(15.1%増)、当期純利益13.43億円(43.2%増)です。
事業価値については、いつもは営業利益の60%で計算していますが、特損が多いのが現実なので、今回は予想当期純利益13.43億円に割引率を7%で計算します。
すると事業価値は191.86億円になります。
財産価値は33.75億円、負債は67.55億円になります。
したがって株主価値は158.06億円です。株価に直すと875円になります。
6/7の終値が561円(時価総額101.29億円、PER10.48倍、配当利回り1.34%)なので、現在の株価は36%割安であるという結論です。
今回の暴落局面で株価も軟調なのですが思ったより下げてない気がします。直近の高値が709円なのでこれくらいの下げ幅ならうらやましいです(^▽^;)
400円台に突っ込んだら投資を考えますが、さすがにそこまでは調整しないかもしれませんね。

今回のはせがわ(8230)を研究して感じたことは、斜陽産業の成長企業かもしれないなということです。
そうだとすると今後も着実に業績がアップしていく可能性もあるため、適正価格で投資しても将来的には大きな利益を得るチャンスがあるということです。
単元株数も100株単位なので10万円以下で投資できることを考えると、あまり欲張らずに100株くらいなら投資しておいても良いかもしれませんね。

それではまた明日(^_^)/~


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